六角堂へ。上から見る六角形と、白鳥との謎の心理戦

上から見る六角堂 京在住ノート

ずっと「一度行ってみたいなぁ」と願いつつも、
なかなかタイミングが合わなかった
烏丸御池の六角堂(頂法寺)。

先日、ようやくまとまった時間が取れたので、
念願の初参拝へ行ってまいりました。

烏丸通の賑やかなビル街を歩いていると、
突然現れる歴史あるお堂。

ですが、お参りの前に、
私にはどうしても果たしたい
「一大ミッション」がありました。

それは――

「本当に六角形をしているのか、
自分の目で上から確かめること!」

六角堂のすぐ西隣には「WEST18」という
高層ビルがあり、そこには境内を見下ろせる
シースルーの展望エレベーターがあります。

さっそく潜入。

幸運なことに
エレベーターの中は私ひとりの貸切状態でした。

ぐんぐん上昇していくエレベーター。

そして見えてきた本堂の屋根。

「わぁ……ほんまに綺麗な六角形や……!」

ガラスに張り付きそうな勢いで、
誰の目も気にすることなく、
その美しい形を堪能してしまいました。

六角堂の名前は知っていても、実際に
上から見る機会って意外とないんですよね。

思わぬところで大満足のスタートです。

さらにビルの一階には大きな窓越しに
境内を眺められるスターバックスもあり、
うろうろしているうちに、
なんとビルから直接六角堂へ入れる扉まで発見。

「へぇ、ここから入れるんや!」

一瞬ショートカットしたくなりましたが、

「いやいや、初めてのお参りやし、
ちゃんと正門から入ろう。」

そう思い直しました。

……ただ、その間ひとりでビルの中を
あっちへ行ったりこっちへ来たり。

ふと我に返って思いました。

「これ、はたから見たら完全に不審人物やん……。」

ひとりで笑ってしまった結果、
さらに怪しい人になってしまったのは
ここだけの秘密です(笑)。

ようやく正門から境内へ。

まず目に飛び込んできたのは、
青々と茂る「縁結びの柳」。

たくさんのおみくじを受け止めながら、
初夏の風にゆっくり揺れる姿がとても綺麗でした。

さっきまでの不審人物ムーブでざわついていた心も、
ここでようやく落ち着きます。

本堂で静かに手を合わせたあと、
御朱印へ向かったのですが――

ここでも私のうっかり癖が炸裂します。

窓口が二つあり、待っていたのは私ひとり。

「あ、空いた。」

そう思って進んだ瞬間、
片方の窓口からは「あっち、あっち。」
もう片方の窓口からは「こっち、こっち。」

(あっちこっち、どないやねん!笑)

どうやら窓口を一つにまとめる
交代のタイミングだったようです。

右を向いて左を向いて、心の中で
ツッコミを入れながら再び並び直しました。

ちなみに窓口の方はお二人とも親切で、
とても丁寧に対応してくださいましたよ。

ちょっと恥ずかしかったけれど、
これも旅のスパイスということで(笑)。

境内には、
一言願い地蔵さまもいらっしゃいました。

あまりにも優しいお顔だったので、
「これは絶対ブログで紹介したい!」
と夢中で写真を撮影。

満足して歩き出したあとで、重大な事実に気付きます。

お願い事をするのを、完全に忘れていました。。。

写真だけ撮って帰る人、
たぶんあんまりいないと思います(笑)

そして最後に待っていたのが、
本日の最大イベント。

池のほとりにいた二羽の白鳥です。

看板には「近づかないでください」の文字。

もちろん柵の外から眺めていたのですが、
そのうちの一羽が、
首をこちらへ向けたまま微動だにしません。

じーーーーーーーっ。

ただひたすら、見つめてくるのです。

(えっ……怒ってる?)

(様子を見てるだけか?)

(でもなんか睨まれてる感強っっ……。)

怖がりな私は完全に金縛り状態。

動いたら負ける。

そんな謎の心理戦がしばらく続きました。

結局、
「……そろっと逃げよかな。」

私のほうがそろりそろりと撤退。

何の勝負やったのかは分かりませんが、
白鳥の圧勝でした(笑)

六角堂は、
四方を高いビルに囲まれた小さなお寺です。

けれど不思議なことに、
この場所には窮屈さがまったくありません。

ビル街の真ん中にありながら、迷ってもいい。

失敗してもいい。

少しくらい不器用でも大丈夫。

そんなふうに、ありのままを
受け入れてくれるような空気があります。

前回の社寺巡礼で書いた「花を生かす心」。

それは花だけではなく、
私のようにウロウロ迷ったり、
御朱印で右往左往したり、
白鳥に怯えたりする人間まで、
そのまま受け入れて生かしてくれているようでした。

お堂をあとにする頃には、
心の中が不思議とぽかぽかと温かくなっていました。

京都のど真ん中にある、小さなオアシス。

六角堂は、そんな言葉がぴったりの場所でした。

(2026年6月 500円)





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