宇治上神社。抹茶色の御朱印と、十二単の私にタイムワープ

宇治上神社。抹茶色の御朱印と、十二単の私にタイムワープ 京在住ノート

新緑がみずみずしく輝く、
宇治にある「宇治上神社」へ行って参りました。

もちろん、今回も相棒のバイクとともに伺いました。

今回は、車の通りが多い賑やかな大通りを
上手に避けて、源氏物語の宇治十条
「早蕨(さわらび)」がその名の由来となっている、
風情あふれる「さわらびの道」を通っていく
ルートを選びました。

緑の木陰が優しく続くこの道は、
ただバイクで走っているだけでも、
ざわざわとしていた心がすーっと
洗われていくような、本当に心地よいルートです。

さわらびの道を走っていくと、
途中に「大吉山(だいきちやま)展望台」への
登り口が見えてきます。

去年の冬、大吉山へ登ったことがあります。
展望台から見た宇治の景色は本当に素晴らしく、
今でも忘れられません。

ただ、そのときひとつだけ
不思議な出来事がありました。

私の前を歩いていた方たちが、
展望台の先でまるで神隠しにあったように
姿を消してしまったのです(笑)。

実は今回、その謎を解明するために
再挑戦しようと思っていたのですが、
去年この辺りで熊の目撃情報が
あったことを思い出し、あっさり断念。

安全第一で宇治上神社へ向かうことにしました。

(大吉山から見える平等院です)


大吉山の緑豊かな山裾に
そっと抱かれるようにして佇む宇治上神社は、
決して大きなお社ではありませんが、
一歩足を踏み入れた瞬間に、
圧倒されるほど深い緑と、
凛とした厳かな空気に包まれていました。

境内に入って最初に向かったのは、手水舎です。

ここのお水は、かつて宇治茶の全盛期に、
お茶に最適な水として重宝された
「宇治七名水」の一つ、「桐原水(きりはらす)」
というとても貴重な湧き水。

なんと、七名水の中で今も枯れずに現存しているのは、
ここだけなのだそうです。

かつて織田信長や豊臣秀吉といった天下人たちも
宇治のお茶や名水を高く評価し、
庇護したと伝えられています。

壁に囲まれた薄暗い空間の奥で、
水だけが静かに湧き続けています。

歴史好きとしては
ぜひ近くで見てみたかったのですが、
周りに誰もおらず、
しーんと静まり返った空間に
少々腰が引けてしまいました(笑)。

ちなみにこの桐原水、とっても綺麗ですが、
そのまま飲むことはできないそうなので、
これから行かれる方は気をつけてくださいね。

気を取り直して、いよいよ目の前に佇む、
平安時代から続く「日本最古の本殿」の前へ。

千年以上も昔、平安時代に生きていた人々が、
いまの私と全く同じ場所に立ち、
全く同じこのお社を見上げていたんだ――。

そう思った瞬間、胸の奥から凄まじいほどの
壮大なロマンが湧き上がってきました。

そのロマンにどっぷりと浸っているうちに、
私の頭の中の妄想はどんどん膨らみ始めます。

(もし、私が平安時代にタイムワープして、
十二単を着てこの場所に佇んでいたら、
どんな感じかしら……?)

きらびやかで重たいお着物を身に纏い、
この静かな宇治の山裾で、
宇治川を眺めながら和歌を詠んでいる自分……

そんなおめでたい姿を頭の中で勝手に想像しながら、
しばしの間、とっても楽しい
脳内タイムワープの時間を
満喫してしまいました(笑)。

実は宇治上神社のすぐ近くには、
もうひとつ「宇治神社」という神社があります。

案内を読んでみると、なんと明治時代までは
この二つの神社は二社一体で、
「離宮上社」と呼ばれていたのだそうです。

宇治は、昔は「莵道(うさぎのみち)」と書いて
「うじ」と読んでいた歴史があり、どちらの神社も
「うさぎさん」にとても深いゆかりがあります。

境内には可愛らしいうさぎのモチーフが
たくさんあるので、二つの神社をのんびり歩いて
「うさぎさん巡り」をするのも、
きっとすごく楽しいと思います。

あ、そうそう!帰る前にいただいた御朱印が、
とっても素敵だったのです。

宇治上神社では、和歌が書かれたものなど
本当にたくさんの美しい御朱印が用意されていて、
この日は書置き(紙でいただくタイプ)
のみだったのですが、
どれにしようかかなり迷ってしまいました。

種類が多すぎて、気づけば御朱印の受付の前で、
私は完全に「フリーズ(固まる)」状態に(笑)。

散々迷った結果、私が選んだのは、宇治の名産である
「宇治抹茶の緑」をイメージした、
鮮やかで美しい緑色の色紙の御朱印です。

実は、私がこの宇治上神社にお参りするのは、
今回が二度目。前回いただいたのは、
白い紙に墨で書かれた基本の御朱印だったのですが、
並べてよーく見比べてみると、
書かれている文字は同じなのに、
捺されている「兎のスタンプ」の形が
違っているのを発見しました!

今回の緑の御朱印のうさぎさんは、
なんだかちょこんとしていて、
格別に可愛らしいのです☺️

ブログに前回のものと並べた写真を
載せておきますので、ご興味のある方は
ぜひ間違い探しのように
見比べてみてくださいね。

神社へ足を運ぶようになってから、
こうして季節のお花を眺めたり、
千年前の建物にロマンを感じたり、
御朱印選びで真剣に
悩んだりする時間が増えました。

宇治上神社は、そんな何気ない幸せを
改めて感じさせてくれる場所でした。

大吉山の謎も、桐原水のドキドキも、
十二単の妄想も(笑)。

すべてひっくるめて、
初夏の宇治で過ごした愛おしい一日です。

(2026年6月 500円)


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